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2026.04.10

令和8年 学林合同入林式を挙行 ― 「未来からの風」を受け、世界の苦しみに応答する菩薩を育む ―

2026年4月5日、立正佼成会法輪閣において「学林合同入林式」が執り行われた。本年度は、学林大樹63期生、光澍大学科52期生、光澍ロータス19期生、芳澍33期生、蓮澍・海潮音科33期生の計28名が入林し、国内外から集った青年たちが新たな学びの歩みをスタートさせた。

式典では、新入林生代表が誓いの言葉を述べ、仏教の教えを単なる知識として学ぶのではなく、自らの生き方として実践していく決意を表明した。

学長訓話で杉野恭一学長は、「未来から吹く風」の精神に触れ、学林創設者・庭野日敬開祖が1964年に語った教団や宗派の枠を超え、人類全体の幸福に貢献することが学林教育の原点であると述べた。そして、分断や不信が深まる現代社会において求められるのは、人間の内面から平和を生み出す力であり、学林は「感性」「知性」「品性」を兼ね備えた人材の育成を目指していると語った。

また本式典では、第28回庭野平和賞受賞者であり、国際エンゲージド仏教徒ネットワーク(INEB)創設者であるスラック・シヴァラクサ師から祝辞が寄せられた。

シヴァラクサ師は、庭野日敬開祖への敬意を表するとともに、学林が実践的仏教教育の場として果たしてきた役割を高く評価した。その上で、現代世界が直面する貧困、環境問題、暴力、分断といった課題に対し、仏教者は社会の現実から目を背けるのではなく、積極的に関わっていく責任があると強調した。

師が提唱する「エンゲージド・ブディズム」とは、瞑想や個人の救済にとどまらず、人々の苦しみを自らの課題として受け止め、平和・正義・共生の実現に向けて行動する仏教の実践である。宗教や文化の違いを超えて協力し、人類共通の課題に向き合うことこそ、これからの時代を担う若者たちに期待される使命であると新入林生を激励した。

教団代表あいさつで熊野隆規理事長は、学林生活について、「傷つき体験」と「癒やされ体験」の両方を通して、人は成長していくと語り、思い通りにならない出来事や共同生活の中での葛藤、他者との違いに向き合う経験は、決して無駄ではなく、人の痛みを理解し、丈夫な心を育てていく大切な糧になると述べられた。

続いて庭野日鑛会長は、入林生に向けた法話の中で、宇宙から撮影された地球の写真を手にしながら、「私たちは皆、この美しい地球に生きる“地球人”である」と語られた。そして、世界各地で争いや分断が続く今だからこそ、「この地球をより良くしていかなければならない」と、新入林生たちへ呼びかけられた。

また、ロボット工学者・森政弘氏の「メスとドス」の譬えを紹介し、「同じ刃物でも、人を救うために使えば“メス”となり、人を傷つければ“ドス”となる。大切なのは、それを使う人間の心である」と述べられた。 さらに、「一度聞いたから終わりではなく、繰り返し学び続けることに価値がある」という“フロー思考”についても触れられ、日々の読経供養や修行を重ねることの意味を丁寧に語られた。

最後に庭野会長は、「本当の幸せとは何か」を問いかける寓話を紹介されながら、物質的な豊かさだけではなく、今ある命や日常への感謝の中にこそ、本当の幸福があることを示された。

学林での学びは、講義だけでなく、共同生活や奉仕活動、人との関わりを通して、自らを磨きながら社会と向き合う力を育む営みである。新入林生たちはこれから、仏教の智慧を現代社会の課題解決に生かし、人々と共に平和な未来を創造する菩薩としての歩みを始める。

入林式は、仏教者としての自己形成と社会的使命を確認するとともに、世界の苦しみに応答する「エンゲージド・ブディズム」の精神を新たな世代へ受け継ぐ出発点となった。

学林入林式 祝辞 

国際エンゲージド仏教徒ネットワーク(INEB)の創設 スラック・シバラクサ師

私は庭野日敬先生を個人的に知っており、深く尊敬してきました。

先生は立正佼成会の創立者であるだけでなく、世界中のさまざまな宗教の人々を結びつけ、社会のために共に働く組織である「世界宗教者平和会議(WCRP)」の設立にも大きな影響を与えました。


これらの組織が、名前が変わったものも含めて、今もなお存在し続けていることを私はとても嬉しく思っています。


また先生の精神は、アジアにおいて宗教が協力して平和に取り組む「アジア宗教者平和会議」の活動にもつながりました。


先生の生誕120年を迎えたことを、私はとても喜ばしく思っています。


そして150年、200年という節目も、きっと祝い続けていくことでしょう。なぜならある意味で先生は不滅の存在だからです。


また先生は、現代社会の中で仏教を生きる人材を育てる学林の創設にも大きな影響を与えました。


これは本当に素晴らしい取り組みです。


そして今、多くの若い人たちがその志を受け継ぎ、良い働きをしていることを嬉しく思っています。


多くの若者は庭野先生を直接知らないかもしれません。


実際、先生ご自身は自分が知られることを望まない方でした。


それでも先生の社会と宗教への貢献は、計り知れないほど大きいものです。


私は今でも先生のことをよく思い出します。そして庭野平和賞をいただいたことを大変光栄に思っています。


今日、社会に関わる仏教者としての若者にとって重要な問いがあります。


それは、庭野先生の先駆的な働きを受け継ぐために、若い人たちはどんな課題に取り組むべきかということです。


今日、仏教徒であるということは、単に「良い人」であるという意味ではありません。


また、仏教を国家主義と結びつけることでもありません。

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学林は、立正佼成会庭野日敬開祖により創設された、
法華経に基づく全人教育を行う、実践的仏教教育機関である。
The Gakurin Seminary is a global training center for engaged Buddhism and interfaith action.
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