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2026.03.03

危機の時代における「変容的学び」――国際協働による実践の深化

2026年3月1日、学林において、国際エンゲージド仏教ネットワーク(INEB)インスティテュート・フォー・トランスフォーマティブ・ラーニングのアカデミック・ディレクター、テッド・メイヤー氏を迎え、「変容的学び(Transformative Learning)」をテーマとした対話プログラムが開催された。本プログラムは、学林と庭野日敬スクール・フォー・グローバルリーダーシップ(Nikkyo Niwano School for Global Leadership)の協働により実施されたものであり、INEBとの継続的パートナーシップの具体的な展開である。

 

 

 

 

 

 

 

学林はこれまで3年間にわたり、学林生をテッド氏のプログラムへ継続的に派遣してきた。本対話は、そうした国際的な学びの往還の中で育まれてきた関係性のもとに実現したものであり、単発の講義ではなく、実践を伴う学びの深化として位置づけられる。

当日は、戦争や暴力、気候危機、社会的分断といった相互に関連し合う「複合的危機」の現状が共有された。その上で、これらの課題に向き合うためには制度や技術だけでなく、人間の意識や在り方そのものを問い直す必要があることが示された。人間が本来持つ共感や創造性は、恐れや固定観念によって制限されがちであり、それを解きほぐす「内的変容」が社会変革の基盤となる。

プログラムの中心となったのは、評価や批判を伴わない対話の実践である。安心して語り、聴き合う関係性の中で、参加者は自らの経験や感情に向き合い、他者とのつながりを再認識していく。このような対話は単なる理解にとどまらず、自己認識の変化を通して行動の変容を促す学びとして機能する。

こうしたプロセスを通して明らかとなったのは、内面の変容と社会的実践が不可分であるという視点である。自己理解の深化は他者との関係性を変え、それがコミュニティや社会の変化へとつながっていく。この一連の流れは、学林とINEBのパートナーシップによって具体的に体現されており、内面の気づきから社会・世界の課題解決へと至る「実践的仏教」の精神が、教育の現場において顕現しているといえる。

学林と庭野日敬スクール、そしてINEBとの連携は、宗教や文化の違いを越えた協働の可能性を示すものである。対話を基盤とした学びは、相互理解にとどまらず、共に課題に取り組む実践へと展開していく。学林は今後も、こうした国際的パートナーシップのもと、内面の変容と社会的実践を結ぶ教育を推進し、複雑化する世界の課題に応答する人材の育成を目指していく。

 

学林講義 庭野日敬スクール・フォー・グローバルリーダーシップ Gakurin Seminary Nikkyo Niwano School for Global Leadership (チラシ)

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学林は、立正佼成会庭野日敬開祖により創設された、
法華経に基づく全人教育を行う、実践的仏教教育機関である。
The Gakurin Seminary is a global training center for engaged Buddhism and interfaith action.
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