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2025.11.20

身延山に響く祈り──法華経の精神に学ぶ三科合同練成 

2025年11月9日、学林は、山梨県・身延山において、大樹・光澍・蓮澍による三科合同練成を実施しました。本練成は、法華経信仰の精神的源流としての日蓮聖人の歩みに学びつつ、祈りと実践のあり方を自らの身体で受け止めることを目的としたものです。

総勢36名の学林生が参加し、「南無妙法蓮華経」のお題目を唱えながら、身延山久遠寺から奥之院思親閣までの山道を行脚しました。先祖やいのちの大本への感謝を胸に、一歩一歩を踏みしめるその姿は、現代に生きる私たちが忘れがちな「生き方の根」を静かに問いかける時間でもありました。

身延山は、法華経を命の拠りどころとして生き抜いた日蓮聖人が、晩年の約9年間を過ごし、読誦と教学、そして後進の育成に心血を注がれた地です。奥之院思親閣は、聖人が両親や師への深い思慕を胸に、険しい山道を登り祈りを捧げられた場所として知られています。

学林生たちは、歴史と祈りが幾重にも積み重なった山道を進みながら、先人たちの信念と真剣さに思いを重ねました。無言の自然と向き合い、自身の足で歩くその行為は、「人は何を拠りどころに生きるのか」という普遍的な問いと向き合う時間となりました。

奥之院に響く法話──「信仰は水のように」

奥之院思親閣では、別当・下里是龍師より法話が行われました。下里師は、唱題の意味に触れながら、次のように語りかけました。

「お題目を途切れることなく唱え続けることは、すぐに結果を求める行為ではありません。水が私たちのもとへ届くまでに、長い時間と道のりがあるように、信仰もまた、静かに、しかし確実に人生を潤していくものです。どうか、信仰を水のように澄んだものとして、絶えず流れ続けさせてください。」

この言葉は、成果や効率が重視されがちな現代社会に生きる若者たちにとって、「急がず、立ち止まりながらも歩み続ける生き方」の価値を示すものとなりました。

「人として、どう生きるか」──現代への問い

続いて、杉野学林学長は、迫害や困難の只中にあっても人々に寄り添い続けた日蓮聖人の生き方に触れ、次のように語りました。

「役割や立場、肩書きを越えて、私たちは『人としてどう生きるか』を常に問われています。社会の波に翻弄されるのではなく、自らの誓願と誇りを胸に、柔和忍辱の心をもって生きること。それが日蓮聖人の精神であり、皆さん一人ひとりが歩むべき道でもあります。我がいのち、先祖、親への感謝を忘れず、各々の誓願に生きてください。」

 

祈りを、世界へひらく

本練成は、世界の諸宗教や多様な価値観と響き合う、日本仏教の修行文化の一端を体感する機会となりました。厳しい山道を歩み、声を合わせて祈るという行為の中に、人間の尊厳、感謝、そして他者と共に生きる覚悟が息づいています。

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学林は、立正佼成会庭野日敬開祖により創設された、
法華経に基づく全人教育を行う、実践的仏教教育機関である。
The Gakurin Seminary is a global training center for engaged Buddhism and interfaith action.
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