諸宗教が手を携え、困窮する人々に愛と慈悲を――学林生による炊き出しボランティア活動
令和6年5月25日(土)および27日(月)、大樹60期生・61期生、ならびに蓮澍・海潮音科31期生が、東京・山谷地区に拠点を置く「神の愛の宣教者会」(Missionaries of Charity:MC)の修道女たちとともに、生活困窮者を支援する炊き出しボランティア活動を行った。本活動は、困難な状況にある人々に対し、温かい食事と心の励ましを届けることを目的としている。
参加した学生たちは、まず「マザーテレサハウス」にて修道女らと共に食材の準備を行い、調理から配膳までを一貫して担当した。訪れた方々一人ひとりに対し、心を込めて食事を手渡す姿勢は、活動の根幹をなすものであった。宗教の垣根を超えて行われた今回の取り組みは、キリスト教と仏教という異なる信仰を持つ者同士が、共通の目的に向けて協力し合う姿勢を象徴するものである。
立正佼成会とマザーテレサ修道院は、長年にわたって交流と協力関係を築いてきた。これまでにも青年使節団がインド・コルカタにある修道院を訪問し、現地での支援活動に参加するなど、宗教間の絆を深めてきた歴史がある。さらに、聖マザーテレサと立正佼成会の開祖・庭野日敬は、ともに「宗教界のノーベル賞」とも称されるテンプルトン賞の受賞者であり、その先導的な姿勢は、宗教間の対話と協力の象徴として大きな意義を持っている。
25日(土)には、309食分のカレーライスとふりかけご飯を準備し、白髭橋周辺で食事を待つ生活困窮者に対して、手渡しで提供した。続く27日(月)には、再び宣教者会の施設を訪問し、温かいうどんを調理・提供した後、隅田川沿いに暮らす方々にお弁当を配布するなど、現地に赴いての支援活動を実施した。
活動に参加した学生たちは、「信仰の違いを超えて手を取り合い、共に行動することの大切さを体験するなかで、キリスト教の『愛』と仏教の『慈悲』を、自らの行動を通して学ぶことができた」と振り返った。宗教を超えた協力と相互理解の精神は、平和的共生社会の実現に向けた一歩として、大きな意義を持つものである。
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