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2026.02.13

国境と宗教を越えて社会課題に向き合う――学林海潮音科31期生 卒林研究発表会

2026年1月13日、学林青梅キャンパスにおいて、学林海潮音科31期生による卒林研究発表会が開催されました。本発表会は、仏教に根ざした内省と実践を起点に、宗教や文化の違いを越えて共有しうる価値を見いだし、社会や世界が直面する課題に対する創造的な提言を行うことを目的としています。

約2年間にわたり学林海潮音科生として学んできたバングラデシュおよびインド出身の31期生3名が研究成果を発表し、オンライン・対面を合わせて約50名が参加しました。発表では、自己の内面への問いを出発点としながら、家庭、地域社会、国家、さらには国際社会へと視野を広げていく実践的な視点が共有されました。

インド出身の発表者は、「インドにおける社会平等の現実」をテーマに、カースト、ジェンダー、宗教に基づく不平等の構造を整理し、「すべての人が尊厳ある存在である」という人間観に立脚した克服の可能性を考察しました。宗教間対話や市民社会との協働を通じて、分断を超える道筋が示され、その内容は国際社会における包摂と平等の議論とも深く響き合うものでした。

バングラデシュ出身の一人の発表者は、「自己の目覚めと家庭教育」をテーマに、家庭が抱える教育的・社会的課題を取り上げました。個人の内面的な気づきや自己省察が家庭の平和と人間形成の基盤となり、それが地域社会の安定や平和構築へとつながっていく可能性が示されました。

もう一名のバングラデシュ出身の発表者は、「共通のアイデンティティの再認識」を軸に、宗教・民族・言語の違いによる分断の構造を分析しました。「尊厳」「慈しみ」「相互尊重」といった普遍的価値に基づき、多様性を共生の力へと転換していく平和構築の枠組みが提示されました。

質疑応答では、対話と協力をいかに現場で実践するかが問われ、相手の言葉の背後にある感情や経験に耳を傾ける姿勢の重要性が共有されました。対話が困難な状況においてこそ、自己を省みつつ他者を尊重する姿勢が共生への道をひらくとの認識が示されました。

本発表会は、自己の目覚めから社会、国、そして世界へと視野を広げる学林の国際的・実践的な学びの成果を示す場となりました。卒林生が今後、それぞれの地域において、対話と協働を通じて平和で包摂的な社会づくりに貢献していくことが期待されます。

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学林は、立正佼成会庭野日敬開祖により創設された、
法華経に基づく全人教育を行う、実践的仏教教育機関である。
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