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2025.08.28

杉野学林学長がICCGC国際会議で論文発表 学林大樹・光澍大学科プログラム・ロータス生も参加

2025年8月15日〜18日、韓国・益山にて、ICCGC(International Conference on Cooperative Global Citizenship)と国連NGO会議(CoNGO)が共催する国際会議 「Transformative Leadership for a Just and Peaceful Future(公正で平和な未来のための変革型リーダーシップ)」 が開催されました。

この会議には、宗教、教育、政治、青年、NGOなど多様な分野から世界各国のリーダーや研究者が集まり、戦争・気候危機・社会分断といった現代の課題に応じるための倫理的かつ実践的なリーダーシップについて議論しました。

杉野恭一学林学長は、論文 「断片化から繁栄へ:徳倫理と精神的・道徳的リーダーシップの再興」(英題 From Fragmentation to Flourishing: Reclaiming Virtue Ethics and Spiritual-Moral Leadership)を発表しました。本論文では、アリストテレスの「エウダイモニア」、儒教の仁・義・礼、仏教の六波羅蜜といった東西の徳倫理の伝統を架橋し、「人格形成(inward formation)・関係性(relational practice)・制度文化(institutional embodiment)」の三層にわたる徳の実践モデルを提示しました。

杉野学長は、インドのアショーカ王による慈悲の統治、戦後イラクにおける宗教間協力、さらには学林での教育実践を具体例として挙げ、徳が個人の内面から制度のあり方に至るまで社会を変容させうる力であることを示しました。この視点は、分断と不信が深まる現代において、霊性と倫理に基づいた新たな「精神的・道徳的インフラ」の可能性を拓くものです。

また、学林大樹、光澍大学科プログラム、ロータス生も会議に参加しました。ロータス生の家村さんは、青年セッション “Empowering the Next Generation: Youth Leadership for Peace and Sustainability” に登壇し、若者の視点から平和と持続可能性への想いを共有しました。

今回の参加を通じて、学林の教育モデル――感性(kansei)、知性(chisei)、品性(hinsei)を統合し、霊性と徳に根ざしたリーダーを育成する全人教育――が国際的な場においても注目され、その重要性があらためて確認されました。

今後の展望

今回の国際会議を契機に、圓光大学をはじめ、各国の教育機関との交流と協力の可能性が拓かれました。学林は、こうした連携を大切にしながら、青年が互いに学び合い、共に平和の担い手として成長できる道を広げてまいります。即効的な答えを出すことは容易ではありませんが、学生一人ひとりの徳と霊性の涵養を通じて、地域社会と国際社会に少しずつ光を届けることこそ、学林の使命であると考えています。

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学林は、立正佼成会庭野日敬開祖により創設された、
法華経に基づく全人教育を行う、実践的仏教教育機関である。
The Gakurin Seminary is a global training center for engaged Buddhism and interfaith action.
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