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2025.09.04

ハンガリー・ユニテリアン教会代表団が学林青梅キャンパスを訪問 ―エディクト・オブ・トルダ(1568)の精神と学林教育の出会い―

青梅キャンパスでのラウンドテーブル対話の様子

信教の自由を宣言した「トルダ勅令」の歴史的意義

1568年にハンガリーで発布された「エディクト・オブ・トルダ(トルダ勅令)」は、世界に先駆けて信教の自由と良心の自由を宣言した画期的な歴史的出来事です。信仰を異にする人々が互いに尊重し合うことを原則としたこの勅令は、当時のヨーロッパに大きな変革をもたらし、現代の人権思想や宗教間対話の原点のひとつとされています。

この精神は、今日の国際社会においても、人間の尊厳と平和の実現に向けた普遍的価値として息づいています。

青梅キャンパスでの交流

このたび、2025年8月24日、学林青梅キャンパスに、ハンガリー・ユニテリアン教会のイシュトヴァーン・コヴァーチュ主教をはじめとする代表団をお迎えしました。学生たちとのラウンドテーブル形式の対話では、トルダ勅令の持つ意味を再確認するとともに、現代における信教の自由・良心の自由・宗教間協力の意義について活発な意見が交わされました。

学生からは「宗教の違いを超えて尊重し合う姿勢こそが、対立を乗り越えるための道だと実感した」との感想も寄せられ、歴史の学びが現代社会での実践的な気づきへとつながる場となりました。

学林教育モデルの体験

訪問団は、学林が実践する全人的教育モデルも体験しました。これは、学問的探究だけでなく、自己内省・信仰的修養・自然との共生を重視するものです。学生たちが日々取り組んでいる学修・修養に加え、訪問団はキャンパス内の田んぼを見学し、自然と共にある暮らしとリーダーシップ育成の関わりについて理解を深めました。

こうした体験を通じ、学林の目指す教育は単なる知識の伝達ではなく、慈悲・智慧・責任感に根ざしたリーダーの育成であることをご理解いただくことができました。

学林青梅キャンパス農耕園を見学する訪問団

歴史と未来をつなぐ対話

今回の交流は、450年以上前の歴史的な宣言であるトルダ勅令の精神と、現代における学林の教育実践とが響き合う貴重な機会となりました。信教の自由と良心の自由という普遍的価値は、今もなお人類が共有すべき基盤であり、未来の平和と共生社会の構築に向けて欠かせない要素です。

学林は今後も、多様な宗教者や研究者との対話と交流を重ねながら、平和を築く人材の育成に取り組んでまいります。

コヴァーチュ主教と杉野学長による意見交換

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学林は、立正佼成会庭野日敬開祖により創設された、
法華経に基づく全人教育を行う、実践的仏教教育機関である。
The Gakurin Seminary is a global training center for engaged Buddhism and interfaith action.
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